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【山行記録】美ヶ原高原 (2019 Feb 24) :下界から地味に見える山に裏切られた!感動の絶景!

目次

※ 美ヶ原高原の登山ルートは、【ルート概要】をご覧ください <(_ _)>

 

「美ヶ原高原? ふん、地味だなw 登る価値もないっ!」

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それは高校2年の夏、初の槍・穂高連峰の単独行を終えた松本駅でのこと。

 

悪天候のため予定を短縮し、上高地ー涸沢ー奥穂ー前穂ー重太郎新道ー岳沢ー上高地に変更し、松本まで下山。

 

一日空いてしまい、松本駅で見つけた「アルジャーノンに花束を」を読みながら駅弁二つをたいらげ、見上げると黒くそびえる台形の山……

「地味な山だな…」

「標高も低そうだな…」

「登ってもつまらなそう…」

日本百名山の一つにも数えられる美ヶ原高原は、北アルプス信者の高校生の私に何の感銘も与えることはなかった……

 

時は流れ……現在、久し振りに再開した登山。

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長い休止によって、本格的な山行に耐えうる体力はなく、低山ハイクで満足するも……

 

「もう少し気楽に登れる高い山はないかな」とネットで調べてみると、美ヶ原高原の名前が。

www.mtlabs.co.jp

体力もない自分には2000mちょっとの美ヶ原高原はちょうどいいかも……

 

”美ヶ原高原へ”

天気の良い日を狙い三城牧場から百曲りコース(別名:ふじさわ道)を経由して、頂上へ。

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所々凍っている箇所があるものの、登山道はよく整備されており。

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高度を稼ぐにつれ樹林帯から丈の低い草本へと変わり、乗鞍岳御嶽山などが遠くに見え、視界が開けてくる。登山道も、美ヶ原によくみられる鉄平石が敷かれている。

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「あと少しかな?」と息が上がってきたところで、目の前を遮るものが消え、雪原が広がるっ!と思いきや、牧草や笹が虫食い上に露出した雪原……というか、雪少ない……

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”頂上からの眺め”

それでも周囲を見渡すと広大な高原の先には、日本を代表する山また山!

北から東周りに、北信五岳、草津白根山浅間山荒船山、、、

 

富士山と南八ヶ岳はもちろんのこと……

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南アルプス(左)と中央アルプス、きれい……

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そして、北アルプス!おおー!

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後立山連峰

 

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(王ヶ鼻の電波塔と槍・穂高連峰

 

360°見渡す限り、ありとあらゆる名だたる山々が目に飛び込んでくる!

「ああ、これが日本百名山に数えられた理由なのか!」

「ごめんなさい!美ヶ原高原!」

良い意味で裏切られ、足取り軽く美ヶ原高原を後に……(凍った道に滑ってこけたけどw)

今度は雪が解けた時に、車で上がろうかな。星景撮りたい!

 

 

【ルート概要】

日時:2019年2月24日

ルート:三城いこいの広場>百曲がりコース>美しの塔>王ヶ頭>ダテ河原コース>三城、少年自然の家

歩行距離:約12km

所要時間:6h 30m(モデルタイム:5h弱)

最低標高:1,410m(登山口)、気温:10℃弱(朝夕)

最高標高:2,034m(王ヶ頭)、気温:2, 3℃(昼)

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以下、写真付きで解説します。

三城牧場からは車で上がることも可能ですが、冬季閉鎖中です。

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徒歩で三城牧場から美ヶ原高原に上がるルートは主に2つあり、「百曲がりコース」と「ダテ河原コース」になります。

今回は、三城いこいの広場>百曲がりコース>美しの塔>王ヶ頭>ダテ河原コース>美ヶ原少年自然の家裏手の順で、反時計回りに周りました。

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登山口(標高1,410m)は三城いこいの広場冬季閉鎖中)北側にあります。真ん中の細い舗装道路の左側の遊歩道から登ります。

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しばらくキャンプ場内を歩くと、樹林帯の中の緩やかな道になります。所々踏み固められた雪が凍った箇所がありました。写真は、標高1,520m付近の橋です。

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四阿の広場(標高1,580m)に到達すると、いよいよ百曲がりコースの登りが始まります。写真ではコース入口が見えませんが、左手が百曲がりコースになります。

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登山道やよく整備されており歩きやすいです。標高1,800mを越えると低い草木に変わり、視界が開けてきます。振り返ると乗鞍・御嶽!あと少しで、美ヶ原高原です!

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美ヶ原台上に出ると一気に視界が開けます。風も強くなります。今年は雪が少ないようですね。ちなみに、塩くれ場のトイレは冬季に閉鎖しますので、ご注意を。

美しの塔(標高1,960m)からの北アルプス北部の景色は絶品です!

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少し戻って、美ヶ原高原最高地点の王ヶ頭(標高2,034mへ雪道トレイル。

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王ヶ頭ホテル(通年営業)周辺からの眺めは素晴らしいです!

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ホテルの周りは凍った雪や氷が多かったです。

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ホテル下のダテ河原コースから下山。下り始めの登山道は、百曲がりコースに比べて、傾斜がきつく狭い道になります。凍った箇所も百曲がりコースよりも多く、少々危険でした(滑って転びましたw)。また、雪が登山道の外まで続き、登山道と見間違えることがありました。

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結構下ったかなと思ったところで、無人小屋(標高1,720m)に到着。

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さらに少し歩くと林道
(標高1,650m付近)に出ます。

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ここから登山口まで歩きやすい道になります。林道を進んでいくと分岐点(標高1,625m)に。左の細い方の道を下ります。

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あとは植林されたカラ松林のなか、比較的広い道を下っていけば、

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ダテ河原コースの登山口(少年自然の家裏手、標高1,410m)に到着!お疲れ様でした!

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山行まとめ

  • 天気は晴れで、頂上からの眺めは素晴らしかった。
  • 登山口は10℃弱、美ヶ原台上は2, 3℃で快適な環境。
  • しかし、美ヶ原台上は風が強く寒く感じた。
  • 今年は雪が少なかったので、期待していたほど雪上トレイルが出来なかった。
  • 百曲がりコースは、広い道で歩きやすかった。
  • ダテ河原コース上部は、道が狭く雪が踏み固められ凍っている箇所が多く滑りやすかった。登山道の雪が道の外まで続き、道に見えることもあったので注意したい。

 

【美ヶ原高原とは】

植生

亜高山帯の美ヶ原高原は本来の植生は森林です。しかし、明治42年(1909年)小岩井品三郎氏を中心に美ヶ原台上に開かれた共有放牧地により、美ヶ原高原はお花畑や牧草の広がる状態が100年以上に渡って維持されています(美ヶ原観光連盟公式サイト)。最近は放牧の規模縮小や人の手が入らなくなった等の理由により、笹や木本が侵入を始めているそうです。この状況に対して、お花畑を再生する事業がNPO法人によって進められているようです(特定非営利活動法人 NPO美ヶ原の遊歩道を整備する会)。

 

また、『高山植物を無断で採取することは、自然公園法・文化財保護法・森林法・刑法違反等として処罰されることもあると共に、民法上の損害賠償の対象となります長野県美ヶ原自然保護センターからのお願い)』ので、くれぐれもご注意ください。

 

地質

美ヶ原高原の景観を象徴する標高2000m、広さ約600haの日本一広大な高原は、約130万年前の安山岩質溶岩などによって形成された溶岩台地です*1。登山道によくみられる鉄平石は、この溶岩流が冷却された際に出来た板状節理が崩れたもので、建築用石材として広く利用されているそうです(鉄平石 - Wikipedia)。

 

※この山行記録はブログ主の個人的な感想です。山の天気は時々刻々と変化し、急に天候が崩れ思わぬ事故につながることがあります。事前にご自身の行かれるルートとその周辺を地形図でよくチェックし、非常食・ライト・カッパ・防寒具・替えの下着等しっかりと準備をして、決して無理をせず、山を楽しみましょう!

*1:最近の研究として、 向井ほか、2009(遷移先:地質学雑誌 pdfファイル)