【今日の一枚】冷池で、冷たい生ビール!
生ビール!
疲れた体に染み込みます!
あいにくガスって眺めは残念ですが、ヤマで飲む生は格別です!
【今日の一枚】大人気!唐松岳 Aug 26, 2019
そろそろ8月も終わり、北アルプスの麓の街は秋の気配が漂ってきました。
振り返ってみると今年の夏はスカッと晴れた日があまりなく……
タイミングが合わず、下界から雲の多い北アルプスを眺めていました。
ようやく登る機会を得たので、比較的軽く登れる「唐松岳」へ!
月曜日にもかかわらず、たくさんの人で賑わっており、山を見に来たのか人を見に来たのか…(笑)
それでも、山を歩くのは楽しいですね!
山好きな自分を再認識して下山したのでした。
山も徐々に夏から秋に切り替わってきているようです。
主稜線では時折吐く息が白くなり、少々寒かったです。
扇沢から鹿島槍・五龍を縦走された方にお話を伺いましたが、朝方に耳が痛くなるほど寒かったと仰っていました。麓の朝の気温は16℃だったので、山上では一桁だったのかもしれません。
これから寒暖の差が激しい季節になってきますので、それなりの装備が必要のようですね。
種まき爺さんの『爺ヶ岳』:高山植物の花咲く登山道で、山の成立ちを考えながら。Jul 2, 2019
双耳峰からなる「鹿島槍ヶ岳」
長大な稜線がのびる「蓮華岳」
北の端に小さく見える「白馬三山」
これら、北アルプス北部を構成する「後立山連峰」(以降、後立と呼びます)の山々が南北に連なり、大町市の美しい景観をつくっています。
白馬岳から南にのびる後立が西に折れ曲がるポイント、ちょうど突端に「爺ヶ岳」は位置するため、大町市から良く目立つ山です(写真中央の山)。
『爺ヶ岳』は南峰・中峰・北峰の三つのピークからなります。
一番高いのは中峰(2,670m)ですが、種池山荘から近い南峰(2,660m)も眺めがよく、南峰だけ登る人も多いようです(今回の私みたいに)。
雪解けが始まると二人の「種まき爺さん」の雪形があらわれ、この雪形が山名の由来になっています。
左の南峰直下の黒い模様二つが「種まき爺さん」の雪形(5月中旬撮影)。
左(赤枠)の大きい爺さんが早くあらわれ(3月~5月)、右側(黄枠)の小さい爺さんは5月にあらわれ始めます。
7月当初、雪形はもうありませんでした。
しかし、この二人の爺さんがまいたものでしょうか、登山道は高山植物の花々に彩られていました。
その高山植物の花が咲く登山道や登山口の沢には、何やら面白い模様が入った石があります。
実はこの爺ヶ岳周辺をつくる石には、火山噴火の謎を解明する鍵が隠されているのでした。
※地質の項目が長くなってしまいました。山の成立ちについて興味のある方、お読み頂けると幸いです。 <(_ _)>
目次
爺ヶ岳の高山植物たち
道中にはたくさんの高山植物が咲いており、正直驚きました。
初夏に通いなれた登山道(柏原新道)を歩くのは初めてでした。
今までは高山植物にそれほど興味がなかったとはいえ、もったいないことをしてました……
高山植物は、ミヤマキンバイ、チングルマ、トリカブトなどメジャーなものくらいしか知りません……
今回は高山植物のポケット図鑑を買ったので頑張って調べてみました!
間違ってたらスミマセン!
登山道わきには、至る所にイワカガミが群生していました
山桜(ミネザクラ?)とオオカメノキ
もう少し遅いと、ニッコウキスゲも見られるそうです(隣村のおばさん談)。
こうして挙げてみると、私が確認できたものだけでも、こんなにたくさんの種類の花が咲いていたのは驚きです!
爺ヶ岳には、燕岳や常念岳など南の山では数週間前に咲いていたものが咲いており、北の山は咲く時期が遅いようです。
やはり、北アルプス北部は雪が遅くまで残り気温が低いせいでしょうか。(麓から見ると、雪の量は常念山脈と後立山連峰では大きく変わります。)
時期をずらして北アルプスの山々を登ると、同じ高山植物を楽しめますね!
当日はあいにくの曇り空でしたが、天気の悪い時はライチョウを見る機会が増えると言われています。
爺ヶ岳にもいるのですが、運悪く今回は見かけませんでした。
おそらく、東京から学校登山で100人ほどの男子高校生が来ていたので、元気な彼らに驚いて巣に隠れてしまったのかもしれませんw
爺ヶ岳について
山のグレーディング*1によると、爺ヶ岳中峰(2,670m)は4B*2となります。
今回は種池山荘から一番近い南峰(2,660m)ですので、体力度は4弱といったところでしょうか。
当日はあいにくの天気でしたが、晴れていれば山頂からは剱岳・立山連峰や鹿島槍ヶ岳をはじめ、北アルプス南部の山々から富士山までを見渡すことができます。
晴れの爺ヶ岳南峰より。2016年10月撮影。
爺ヶ岳は柏原新道から登るのが一般的です。登山口は、立山黒部アルペンルート扇沢駅下の扇沢橋左岸にあります。
周囲には数10台(扇沢駅の有料駐車場を含めれば、100台以上)の駐車スペースがあります。
しかし、夏の最盛期は満車になることが多々あり、気を付けたいところです。
柏原新道は、種池山荘*3・冷池山荘*4・新越山荘*5の二代目オーナー柏原正泰さんが、1960年代に開いた登山道です。
最適なルートを見つけるために、木に巻き付けたタオルや手ぬぐいを対岸から見て、修正しながら登山道をつくったそうです。
新道ができるまでは、登山口脇の扇沢の急斜面を詰めて爺ヶ岳に登っていたそうです。柏原新道ができたおかげで、爺ヶ岳は北アルプスの中でも非常に登りやすい山になりました。
ですので、私が初心者の方に初めての北アルプスの山を勧める時も、唐松岳または爺ヶ岳を挙げることが多いです。
登山道状況(扇沢~種池山荘~爺ヶ岳南峰)
柏原新道(扇沢~種池山荘)
扇沢橋の手前にある登山口から、柏原新道を登り4時間ほどで種池山荘に着きます。
登山口には用紙を備え付けた登山ポストはありますが、トイレがありません。ちょっと離れていますが、扇沢駅にトイレと給水場があります。
また、登山口の小屋の張り紙に、冷池・種池・新越山荘ではヘルメットの貸し出しはしていないと告知されていました。
鹿島槍ヶ岳の南峰までは特にヘルメットはいらないと思います。しかし、鹿島槍ヶ岳北峰に行かれる方やそれより先を縦走される方は、鹿島槍南峰ー北峰間や八峰キレットなどに危険個所がありますので、ヘルメットを用意されておくと安心かもしれません。
右の斜面は崩落の危険があるので、あまり長く立ち止まらないでください。
登山口で登山届を提出できます。丁寧な説明が書かれた黄色い看板は、柏原新道の定番!
登山届をポストに投函して登山開始です!
柏原新道は登り始めと種池山荘直下がすこし急登です。
中間部は爺ヶ岳南稜をトラバースするため傾斜は緩く、道もよく整備されて広いので、とても歩きやすいと思います。初心者の方も安心して歩けるでしょう。
同じようなペースで上がってこられた岐阜の方も、
「初めてだけど、登りやすい道だね」
と仰っていました。
ただし、登山道下部のケルン前後と上部のアザミ沢やガラバの雪渓をトラバースの際は注意を要します。
- ケルン前後は、谷側の崩落に気を付けること。
- 雪渓のトラバース時は、雪渓末端が薄くなっている為、踏み抜きに気を付けること。
- 雪渓上には落石が多いので、雪渓上流にも気を配ること。
山荘近くのガラバ(下の写真)は遅くまで雪が残ります。因みに手前の雪渓の下は石の境目。向こう側は火山岩(主に溶結凝灰岩)、手前は花崗岩。
柏原新道は爺ヶ岳南稜の西斜面を上がるので、登山道からの眺めは限定的です。
しかし、高度が上がるにつれて視界が開け、蓮華岳や針ノ木岳など、後立山連峰南部の山々が見えてきます。
種池山荘~爺ヶ岳南峰
今回の山行では、ここまで静かな山歩きでしたが、種池山荘近くになると登山客の姿がだんだん増えてきました。
そして……
種池山荘まであと少しというところで、爺ヶ岳を見上げると何やら見たことのない突起物がいっぱい……
「ん~、あんなところに木が生えてたっけ?」
よーく目を凝らすと、動いてる……
「にょろにょろ?w」
一瞬、爺ヶ岳に毛が生えたのかと思いましたw
種池山荘に着いてスタッフの方に尋ねると、東京から来た高校生さんたちの姿でした。
天気がすぐれないため、鹿島槍ヶ岳登山の予定を変更して爺ヶ岳にしたんだそうです。
爺ヶ岳南峰から種池山荘に下山する高校生たち(種池山荘から)。じきここは嵐にw
種池山荘前で、爺ヶ岳とは反対方向の新越山荘から来られた方達とお話をして、針ノ木岳方面の登山道の様子をうかがいました。
針ノ木岳付近はまだ雪が多い&危険だそうで、新越山荘から引き返してきたようです。
お話のあと、そろそろやってくる若い子たちに山荘前のベンチは占領されるだろうと思い、爺ヶ岳へ!
嵐の前の静けさw 山荘すぐ先には雪渓が200~300m程ありましたが、問題ないでしょう。
元気な「こんにちは!」「こんちは!」「ども!」の集中攻撃をかいくぐり、
道を譲ったり譲られたり。礼儀正しい生徒さんたちでした! 先生方もお疲れ様です。
爺ヶ岳南峰に!
「うん、見えないのは分かってた…!」
山荘からは50分程です。ナナカマドなどの低木からハイマツに切り替わり、登山道は大きな石がごろごろしていますが、危険個所は特にありません。
晴れてると、右のように鹿島槍ヶ岳がカッコよく!
山頂では、途中でお会いした岐阜の方と一緒になりました。
こちらは初めてだそうで、石の事も含めて(余分だったかなw)、雲に隠れた山々のガイドをしましたが、どんよりした天気に残念そうでした。
(ですよね!)
数年前から登山を始められたそうで、昨年は槍ヶ岳に登り、いつか剱岳に登れたらと仰ってました。
(ぜひ剱岳頂上からの最高の景色を堪能してほしいです!)
この先の冷池山荘に宿泊の予定をされていたので、「明日見えると良いですね!」とおわかれしました。
翌朝、鹿島槍や剱は見えたかな~?
※種池山荘公式の最新情報によると、翌3日朝は晴れ!鹿島槍や立山がきれいに見えたようです!
晴れの爺ヶ岳南峰からの眺望をご覧になりたい方は、この記事をご覧ください。
爺ヶ岳をつくる石たち:火山の下で何が起こっていたのか【地質】
まずは氷河について
爺ヶ岳の北にある鹿島槍ヶ岳には、長野県唯一の氷河があります。
ヨーロッパアルプスのものに比べれば、規模が小さいです。しかし、緯度の低い地域に存在することは意義深く、いかに後立山連峰の標高が高く、そして降雪量が多いのかを物語っています。
ちなみに、富山県側には5つもの氷河が剱岳・立山連峰にあります。麓の博物館の学芸員の方の執念が実って認定されたそうです!
3年前の山の日。鹿島槍の雪渓が氷河として認定されたことを記念して「さんぱく*6」で講演が行われました。
爺ヶ岳と扇沢の石たちが物語ること
登山口脇の扇沢や種池山荘周辺に転がっている白い石たち。
この石をよ~く見ると、日本の火山の地下深く、マグマ溜まりで何が起こっていたのかを知ることができます!
登山口付近の扇沢両岸から。白い石が目立ちます。それにしても雪解けの水量が半端ない!
白い石は花崗岩です。
花崗岩はドロドロのマグマが地下深くゆっくり固まった石です。
この白い花崗岩には、灰色の丸っこいものがたくさん入っていることに気付きます。
この灰色の部分も別のマグマが固まってできたものです(閃緑岩)。
灰色の部分は濃いものもあれば薄いものもあったり、粗いものもあれば細かいものもあったり、色んなものがあります。
さらに、白と灰色の二つの境目を拡大して見ると、
灰色の中には白い花崗岩由来の結晶が入っていたり、境界部が波打っていたり破裂しているように見えたり、様々です。
巨礫の拡大写真。灰色の部分に白い結晶が入っているのがお分かりになると思います。
このような産状は、
花崗岩をつくった白いマグマ(赤熱してたと思いますが…)の中に、灰色の石をつくった黒いマグマが入ってきて、二つのマグマが混ざったり混ざらなかったりしたことを示しています。
1970年代以降の火山研究では、日本列島の火山の多くが、この白いマグマと黒いマグマが地下深くで混ざり合った結果、噴火したと考えられています。
ちょっと込み入った話ですが、噴火の過程を一部省略して簡単に説明してみますと、
- 水*7を大量に含んだ高温の黒いマグマ*8が、低温の白いマグマ溜まりに入る。
- 黒いマグマが冷やされて固結し、黒いマグマの中に水の泡*9ができる。
- 黒いマグマ中の水泡は密度が小さいので浮き袋となる。その結果軽くなった黒いマグマが、白いマグマと混ざり合いながら上昇・噴火する。
かなり大雑把にまとめましたが、それでも分かりにくいですよね(汗)
ですので、さらに簡単にまとめると(様々な要因がありますが)、
日本列島の火山噴火の多くは、マグマ混合とマグマに含まれる水の発泡によって引き起こされる。(あんまり変わらないかな……)
ちなみに、軽石に見られる無数の小さな穴は、マグマから水が発泡した跡です。
話を爺ヶ岳に戻すと、
このマグマ混合によって噴火したと考えられる石が、柏原新道や爺ヶ岳に見られます。
その多くは、噴火時に生じた火砕流が堆積したものです。
山頂の石をよく見ると、1㎝未満の黒く細い模様がある方向性を持ってたくさん入っていることが分かります。
火砕流堆積物とは:
数100℃の火砕流は堆積した後も非常に高い温度を保つことがあります。
火砕流堆積物は、その自身の高熱によって再び融けて柔らかくなり、自重で押しつぶされ変形してしまいます。黒い模様もその時に押しつぶされた軽石です。
このように押しつぶされた産状を示す石を「溶結凝灰岩」と言います。
出典:昔の私の記憶
現在噴火している火山の下を直接見ることは出来ません。
ですが、昔の火山の地下深くにあったマグマ溜まりが固まって隆起したもの、すなわち花崗岩などを見ることによって、火山の下で何が起こっていたのか間接的に知ることができます。
扇沢の花崗岩中に見られる灰色の部分は、実際噴火せずマグマ溜まりに留まったものですが、それでも火山の下で何が起こっていたのか、その手掛かりをこの石から垣間見ることができるのです!
火山活動が終焉してから現在まで
以上見てきたように、現在爺ヶ岳に火山体は残っていませんが、100万年位以上前の爺ヶ岳周辺には活発な火山がありました。大量の噴出物をまき散らし、周囲の山にその痕跡を見ることができます。
しかし、活発に続いた火山活動もやがて終わりを迎えます。地下からのマグマの供給が途絶えた火山は風化・浸食にさらされ、山体そのものが消えていきました。
その後、数10万年から100万年の長い間、プレート運動によって隆起が始まり、現在も氷河が残るような高い山脈「北アルプス」ができました。
時代は下り……
その北アルプスの麓に、数万年~数千年前から人々が住むようになり、
やがて農耕を覚えた人々は山の雪形を見て田植えを始め、
近代になると、徐々に登山が注目されるようになり多くの人々が山を目指す。
戦後、日本各地の山で登山道が整備され、北アルプスも大衆化が進む。
そして、柏原新道の高山植物を楽しみながら登って、今自分は爺ヶ岳にいるんだな~・・・
しみじみw
と適当に思ってたら、1時間半以上山頂にいましたw
天気の良い日にまた来よ~♪
鹿島槍に続く稜線上に次々に生まれる雲(小屋は冷池山荘)。こんな景色もたまりません。燕なのかな?山頂には何羽かビュンビュン勢いよく飛び回ってました(背景は針ノ木雪渓とスバリ岳)
北アルプスの山の成立ち・動植物・登山史について興味を持たれた方は、是非「さんぱく」に立ち寄られてはいかがでしょうか~?
※爺ヶ岳周辺は中部山岳国立公園の特別保護地区・特別地域です。当該地域では、動植物だけでなく岩石の採取も固く禁じられています。とるなら、「写真」ですね!
おわりに
種池山荘の公式ウェブサイトで柏原新道を確認していると、下記の注意書きがありました。
昨今はいろいろな方がホームページ等で登山記録を発表されていますが、短時間で歩いた ことがご自慢の記録やかなり強引に日帰りした記録などを載せられている例も多々見受けられますので、気をつけていただきたいと思います。 またそういった自慢の記述に感化された方が、最近目立つのも何かと心配でなりません。
出典:冷池山荘 種池山荘 新越山荘公式ウェブサイト「柏原新道を登ろう!」
私も昔よく山に登っていた頃は、人より速く歩いてやろうと思っていましたので声を大にして言えませんが(汗)、登山系SNSを見るとコースタイムの半分ほどで登る人が多い事……また最近はトレランが流行っているそうですね…… もちろん、先日南アルプスで会ったお兄さんみたいに体力が十分あれば問題ないと思います。
ですが、自分のレベルに合った山を無理のないペースで登ることが大切です!
高山植物を見たり、途中の景色を見ながら休憩したり、すれ違った登山者と話したり、または山の石を見てみたり……(あんまり無いかな、笑)。
ゆったりしたペースで登ると、多くの発見があり、様々な楽しみを体験できます。
また、山では下界以上に何が起こるか分かりません。不測の事態に備えて体力を温存しておくことも大切です。
私も、マナーを守って無理のないマイペース登山、これからも楽しみたいと思います!
参考文献
原山 智・高橋 浩・中野 俊・苅谷愛彦・駒澤正夫(2000)立山地域の地質.
地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所, 218p.(リンク、産総研地質調査総合センター)
*1:無雪期・天気良好時。長野県山岳総合センター作成
*2:数字が体力度。10が最高。アルファベットが難易度。Eが最高。爺ヶ岳中峰まで合計コースタイム:8.3h、ルート長:12.3km、累積標高差:1.57㎞
*4:冷池山荘:つめたいけさんそう。鹿島槍ー爺ヶ岳間の山小屋(テン場あり)。ちなみに鹿島槍の北側には、白馬館のキレット小屋があります(テン場なし)
*5:種池ー針ノ木岳間にある山小屋(テン場なし)。針ノ木岳の先、針ノ木峠には針ノ木小屋がありテン場もあります
*7:もともとは、沈み込み帯の海洋プレートに含まれていた水
*8:バスタブ一杯のマグマに、人間一人分の水
*9:飽和度に達した水が二次沸騰したため
「さんぱく」でライチョウ!【大町山岳博物館】
行こう行こうと思っていた、ライチョウ展示。
今年3月15日から全国*1で始まりましたが、
爺ヶ岳下山後に、やっとこさ行ってきました!
近いと足が遠のく不思議!
ライチョウは博物館の付属園にいます。
ライチョウの飼育舎の前では、何やらTVの収録が……
入っていいのかな~?と近づくと、係員の人が手招き、
「ライチョウ、出てるよ!」
「おお!」
と、飼育舎に入ると、
いました!ライチョウ!
いつもより人が多いのか、ソワソワしてました……
蓮華岳の写真をバックに。
確かこのライチョウは卵からふ化させているので、故郷を知らないのでしょうね……
TV収録のインタビューでも聞こえましたが、最近は絶滅したはずの中央アルプスでもライチョウが確認されたそうですが、近年ライチョウは激減している*2そうです。ですので、こういった事業も必要なのかもしれません。
しかし、思いましたが、果たしてガラス越しのライチョウは幸せなのですかね…?
生態系の事は詳しく分かりませんが、人間の経済活動も生態系の一部と考えれば、人間が作り出した生態系から淘汰される生物が出てくるのも、ある意味、止むを得ないのかもしれません……
人間の都合で巣から卵を取ってきて、ふ化・飼育されたライチョウは、果たして楽しい人生(鳥生?)を送っているのかな?なんて考えてしまいます。
もちろん、目の前の可愛いライチョウには元気でいて欲しいと思います。
山で出会うライチョウ、他の小動物や高山植物の花々は、景色と共に登山の楽しみです。
今更この生活を止めることは出来ませんが、われわれが便利に豊かに生きるために作り上げた生態系。
人間が死に絶えた後、新たに出現する知的生命体もしくは太陽系外からやってきた知的生命体は、われわれが地球に対して起こした行動をどのように見るのでしょうかね?
賛同を得られない考えだと思いますが、地学を勉強すると、いろいろ考えてしまいます……
あれ?重くなってしまいました……
ライチョウかわいいです!
また山で会いたいな!
ライチョウとライチョウに魅せられる人々@燕岳。2019年6月撮影。