山と愛蘭土 ☘ Sliabh & Éire ☘

山の歴史やアイルランドの文化を綴っていきます

南木曽岳:中央アルプスの眺めと意外な出会い!May 23, 2019【金太郎ゆかりの山③】

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金太郎ゆかりの山に登ろう第3弾!(いつのまに……)

今回は、信州は木曽地方の里山を代表する「南木曽岳(なぎそだけ)」!

写真は南木曽岳の摩利支天からの眺めです!遠くの緩やかな山頂は恵那山です!手前は花崗岩

 

麓には中山道の宿場「妻籠宿(つまごじゅく)」や「馬籠宿(まごめじゅく)*1」があり、観光地としても人気な地域となります。最近は多くの外国人観光客が訪れ、中山道トレッキングも人気のようです。日本人よりも彼らに出会う機会の方が多いそうですよ。

さて、長野県の南木曽町にある「南木曽岳」は、地元のボランティア団体「南木曽山士会(なぎそさんしかい)」によって大切に守られている山です。最近は、山と渓谷社が設立した「日本山岳遺産基金」を活用して登山道の整備が実施されたそうです。

あれ、きんたろうのお話は?

 

富山旅行の話をすでに記事(いずれ登山記録もアップします)にしていますが、遡ってその前週に登った南木曽岳です。今回、ちょっと長めです~(5,000文字)<(_ _)>

 

Contents 

 

 南木曽岳登山ガイド

南木曽(なぎそだけ) 難易度:★★★☆☆ ※急登・急な木製階段あり!

【所在地】〒399-5301 長野県木曽郡南木曽町読書

【アクセス】南木曽岳「蘭」登山口まで、東京方面からは飯田山本ICから50分(30㎞)、名古屋方面からは中津川ICから50分(30㎞)

山頂標高】1,679m(二等三角点は1,677m)

登山口標高】960m(南木曽岳「蘭」登山口)

コース距離】8.9km (「登山道」と「下山道」利用。男滝・女滝経由)

参考コース時間】計5時間(休憩・滝見学・石観察含む)

【展望良さ】★★★★☆ (中央アルプス全域、北アルプス南部、南アルプス南部)

【山域地質】中生代白亜紀苗木・上松花崗岩(日本列島形成以前、大陸縁辺部のマグマ溜りの化石)。浦島伝説の上松の「寝覚ノ床」もこの花崗岩です。粗粒の黒雲母花崗岩で一様な岩石組織できれいでした。でも石を勉強してた人としては、もう少し岩相変化が欲しかったかな。

 

 

南木曽岳ハイライト

樹林に覆われた山頂からの眺めは全くありませんが、見晴台避難小屋そばの展望台からの眺めは素晴らしいです!

 

避難小屋から中央アルプス

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剣岳(しかもロープウェイ利用)しか登ったことがなく、木曽山脈に暗いです……

 

見晴台からの御嶽山

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噴気が見えます。2014年の噴火が…… 黒い点はウンカです。虫の季節ですねぇ

 

南木曽岳登山ルート

南木曽岳頂上までのルートは二つあります。

  1. 「蘭(あららぎ)コース」
  2. 上の原コース」

 「蘭コース」は、南木曽南の二つの急な尾根。「上の原コース」は、南木曽北西の長めの稜線を上がるルートになります。

 

今回はポピュラーな「蘭コース」を選択しました。

南木曽山麓蘭キャンプ場から舗装された林道を10分(2.2㎞)ほど進むと、営林署ゲート前にある「蘭コース」の駐車場に到着です。

 

営林署ゲート前には二つの駐車場があります。営林署ゲート前の駐車場には5台、100m下の駐車場には10台ほどのスペースがあります。

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左:営林署ゲート前の駐車場。右:100m下の駐車場

 

「蘭(あららぎ)コース」概要

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「蘭(あららぎ)コース」は二つのルートからなります。

南西の尾根を上がる「登山道(普通に使う登山道と区別がしづらく混乱しそうです、笑)。南東の尾根を下る「下山道」。なお、両ルート下部は共通の道を通ります。

おそらくどちらを登り下りしても良いのだと思いますが、今回は名称の通りに進みました。里山としては、どちらも急なルートとなりますので細心の注意を払って下さい。

※これから、コース名の「登山道」はこの様に鍵括弧を付けて、一般的な名称の登山道と区別します。

 

コース概要

  1. 駐車場の避難小屋で登山届提出して、すたーと!
  2. 林道(まで0分)
  3. 登山口(まで15分)
  4. 登山道分岐点(まで10分)から「登山道
  5. 南木曽岳頂上(まで90分)
  6. 展望台(まで3分)と避難小屋の展望台(まで5分、そして昼食!)
  7. 摩利支天(まで15分)から「下山道
  8. 登山道分岐点(まで60分)
  9. 3→1逆順で駐車場。ごーる!(まで20分)
  10. ありがとうございましたー!

※写真を撮ったり石を見たりしているので、時間はおおよその目安として参考にして下さい。

 

「登山道」(蘭コース)

まずは簡単な概要を。

登山道分岐点までは「登山道」「下山道」は共通したルートとなります。

分岐点まではのどかな林道や歩道を歩きます。分岐点以降の「登山道」では、前半は谷筋を上がり、中盤から尾根筋を上がり山頂に至ります。樹林帯を歩きますので展望は期待しないと良いでしょう。

鎖場もいくつかありますが、基本的に急登+木の階段が多く、階段のステップが狭いこともあるので、バランスを崩して転倒等しないよう気を付けてください。

 

それでは詳しく見ていきます!

駐車場脇には南木曽山麓避難小屋があり、ここで登山届を提出できます。隣にはトイレもあります。

登山届を書いていると後ろに紳士が……後に同じコースを辿り、下山後になんと……

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営林署ゲートは林道と散策道の二手に分かれますが、5分程で合流します。滝見学も兼ねる方は散策道へ。

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15分ほど歩くと林道と登山道の分岐点、「登山口」に到着です。

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左の道が登山道、右の道が林道 

 

看板がいくつか立っていましたが、なにやらすごいことが書かれています……

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格言です!

 

大切な言葉ですね!ビビりな私ですが、ついつい忘れがちに……肝に銘じて登山道を進みます! 

 

堰堤前の木橋を渡ると本格的な登山道となります。さらに10分ほどで「登山道」と「下山道」の分岐点に。 

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木橋からは南木曽岳が!:分岐点の前には積み上げられた木材が。木道の修復用かな?

分岐点を左に曲がりしばらく谷を歩きますが、すぐに本日の目的の一つ「金時ノ洞窟」に。

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大岩の下からは冷たい清流が流れ出ていました!石清水~

ここから先は、徐々に勾配が上がり木の階段が増えてきます。

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喉の滝、見つけられませんでした……

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分岐点からは谷筋を上がってきましたが、20分~30分で尾根筋に登山道は変わります。 急登が続きます。

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:木の階段がつづく!金時山に続きここもか!悠仁親王元号は何になるのでしょうか~?(不謹慎…?)

 

「登山道」のハイライト、鎖場!でも、横に木橋があるのでエスケープ!

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途中、恵那山と麓の南木曽町が!

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あの下を中央道の恵那山トンネルが通るのか~と思ったら、北側を通るんだ(笑)

 

木橋から20分ほど木の階段かいだんカイダンを上がると「かぶと岩」に。

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あの岩かな?いかにもな花崗岩的な形!

 

かぶと岩から15分弱で山頂に!でも、周りは木の中!木曽ですね!

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それでも二等は上等です!

 

頂上には休憩スペースがありましたが、そろそろお昼時。ご夫婦が昼食中でしたので先に進みました。頂上からすぐの「見晴台」も、やはり昼食休憩されてる方たちが……後ろをお邪魔して写真を撮って避難小屋に進みます(昼食どこで食べようかな~お腹空いた~)。

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花崗岩の一枚岩から御嶽山南木曽町木曽川流域)が一望できます!

 

お昼たいむ@避難小屋前の展望台 

程なくして赤い屋根の避難小屋が見えてきます。ちょっと山っぽい!(いや、やまだけど…?

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避難小屋の立派な屋内と環境保全型トイレ。急に天気が崩れて停滞しても安心です!

 

避難小屋の前にある展望台、眺めが素晴らしい!だれもいない!静かなる山、山、山!

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上2枚中央アルプス南アルプス南部。北アルプス南部

 

そして、ようやく昼食!わーい!

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熊笹の向こうは恵那山かな。(富山から帰宅後、モンベルの青いスポーク洗ったら折れた、泣)

 

いつものマルタイラーメンと鮭むすびを食し、「そろそろレパートリー増やしたいなぁ」と思案していると、単独行のおじさんが隣で弁当を広げ始めました。

「今日は素晴らしい天気と眺めですね~♪」(営業すまいる^^)

とお決まりのセリフで会話を始めると、しばらくおじさんの山談議が~っ!

大阪から来られたおじさん、日本アルプス全部周ってました!!!

 

「すごいな~」と驚いていたら、「登山道」を歩いていた方達、頂上や見晴台でご飯を食べていた方達や、山ガールのパーティー等、続々と展望台に人、人、人!!!

なんだか山頂がパーティー状態に!先ほどの静寂がウソのよう~

ちょっと伸びたラーメンの最後の汁を啜り、手早くパッキングすると「下山道」へ~

 

「下山道」(蘭コース)

避難小屋からは、しばらく熊笹の中アップダウンのある 広い稜線を歩きます。摩利支天を過ぎると、かなりの急坂+木の階段+鎖が連続します。「登山道」よりも勾配がきついです。下りは登りよりも転倒・滑落のリスクが高まりますので、必要であれば階段をハシゴの様に下りた方が安全かと思います。カッコ良さよりも安全を優先してください!

 

それでは、くわしく!

南木曽岳は大まかに二つのピークからなっています。西の南木曽岳(三角点1,677mと最高地点1,679m)と東の摩利支天(1,675m)。その間は熊笹が広がります。この二つのピークの鞍部に水場があります。

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ヤブこぎは卒業したので行きませんでしたよ(笑)

 

水場分岐を過ぎ、しばらく樹林帯を歩くと三叉路になります。直進すると摩利支天の展望台。西に折れると「下山道」本道となります。

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1分ほど歩くと摩利支天の展望台に。恵那山を中心に南方の眺めを楽しむことができます。しかし、風化して丸くなった花崗岩の巨岩の先には、柵がないので転落に気を付けてください。

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 真ん中の石をよじ登ると……(転落には十分気を付けて

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写真左上から、東>南>西南アルプス南部、恵那山、中津川方面が見えます。
 

本道に戻り、しばらく進むともう一つの展望台があります。ここはハシゴを登ってすぐです。この展望台には花崗岩の小さなステージがあり、その下は崖になっています。くれぐれも……

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この展望台以降は尾根沿いを下りますが、急な下り坂+断続的に木の階段+鎖となります。「登山道」以上に急ですので慎重に下ってください。

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2番目の展望台から40分ほど急坂を下ると、「登山道」との分岐点に到着です!ここからは登りと同じ道を逆方向に辿り駐車場へ!ゴールです!

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木道が見えたら、すぐに分岐点! 

 

早めに着いたら、駐車場近くの男滝と女滝を見学するのも良いでしょう~

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:男滝。:女滝

 

 南木曽岳のすとーん!

時間に余裕があったので、分岐点下の堰堤の河原で石を観察しました。この山はほとんど同じ花崗岩から出来ているようです。苗木・上松花崗岩といいます。左の写真のように粒が粗く、肉眼では黒雲母(黒)、斜長石(白)、カリ長石(ピンク、見づらいかな)、石英(灰)が確認できます。

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:通常の岩相。:ペグマタイト状。カラビナの長径は約7㎝ 

 

花崗岩とは、地下のマグマ溜りが固結してできたマグマの化石です。大陸地殻の多くはこの花崗岩からなると考えられています。逆に言えば、花崗岩があるということは、そこに大陸があったということです。

この苗木・上松花崗岩は日本列島ができるよりもずっと前、6,000万年以上前の大陸の縁辺部で出来たと考えられています。6,000万年以上前というのは、恐竜がまだ地球上を闊歩していた時代です!すごいな~気が遠くなる~

なんてことを考えながら石を見ていたのですが、ほとんど同じような顔つき(業界用語、笑)。何か面白いのないかな~と探していると、右の写真のようにさらに粗くなった部分が!

ほほぉ~と観察していると、

「ペグマタイト*2ですか?」

その声に、「おおおぉ!!?」と振り仰ぐと、登山届を私の後に提出していた紳士が……

このお方、私の後ろをあまり間をあけずに歩かれていたお方。

お話を伺うと、某有名大学の地質の先生でした!

道理で、健脚、いやマニアックな言葉をご存知だったのですね~

 

おわりに

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駐車場の募金箱に感謝も込めてチャリンとした後、シャンプーバイキング&露天風呂自慢の「大江戸温泉物語 ホテル木曽路*3 」で汗を流し、帰途につきました。

久々のきれいな花崗岩に満足しましたが(そこか?)、私がかつて所属していた世界の先生にお会いする偶然。石を調べていた時のわくわく感が少し蘇りました!(遭難死しそうだったから、戻れたとしても戻りたくはないけど~ 、でも石を見て山の成立ちを考えるのは楽しい!

 

南木曽岳は急峻な山道にもかかわらず、よく整備された登山道でした。地元の有志の方達の努力の賜物ですね!たのしく登山できたことに感謝です!!!

 

あれれ、ほとんど金太郎出てこなかったなぁ……しかも中央アルプスより恵那山だったし……

 

参考文献・ウェブサイト

はてなブログ

nagisodake.hatenablog.com

 

一般サイト等:

*1:島崎藤村の生家があることでも知られる。岐阜県中津川市。以前は長野県山口村。2005年に中津川市編入

*2:巨晶花崗岩。マグマがほとんど固結して残液の少ない状態で形成する。有用な金属資源を含むが、ウランなどの放射性物質も含まれる。

*3:日帰り入浴800円、無料のアイス付き!

金太郎の里をさまよっていたら~@新潟県糸魚川市上路 May 31, 2019【山姥の里と栂海新道】

金太郎の里はどこだろうと彷徨っていたら……

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イノシシに出会いました!*1

 

新潟県糸魚川市上路地区にも金太郎伝説に関連した山姥伝説があり、富山旅行の帰りに寄りました。

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しかし、

どこにあるのだろ~?と糸魚川市上路地区に続く新潟・富山県道115号五畿七道北陸道のう回路)を彷徨っていたのですが、下調べ不足+前日の疲労+雨で、結局お目当ての古跡を通り過ぎてしまいました~ (;´∀`)

そのかわりに、タヌキイノシシに出会いましたよ!さすが、山姥の里!

タヌキは小さすぎてドライブレコーダーの画像では見にくかったので掲載しませんが、車に気付くまで「ぼ~」>車に気付いて「はっ!」>ヤブに「さささっ」は見ていて和みました。

イノシシは一瞬クマかと思いました(汗)。イノシシも危ないので登山中に会わなくてよかった~

 

その後、県道115号をさらに進むと……おおぉ!

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むか~し、学生時代の夏休みに白馬の八方尾根から日本海の親不知まで、北アルプス最北端を縦断したことがあるのですが、その時通った「白鳥山」。あの時は蒸し暑かった!

 

そして~

 

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親不知方面

 

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白鳥山方面

 

この県道は、地元の「さわがに山岳会」によって開かれた「栂海新道」を横切ります!「栂海新道」は北アルプス最北の登山道で、朝日岳から親不知までを結びます。

先ほどの「白鳥山」も栂海新道は通過しますが、「林道山姥線」から「坂田峠」まで車で上がり、そこから登ることができるようです。はっ!坂田峠?坂田金時

 

  • 朝日岳から犬ヶ岳までの雨の中、根っこだらけの登山道に足を取られたり
  • 犬ヶ岳山頂にある栂海山荘の大展望トイレに驚いたり
  • 親不知で登山服着たままみんなで泳いだり~

楽しい思い出がよみがえりました~ (*´▽`*)

当時、栂海山荘では丁度さわがに山岳会の方達が滞在されており、あの小野健さんもいらっしゃいました!

 

山姥の里行く前に、このサイトを見ておけばよかった……

www.city.itoigawa.lg.jp

 

ちなみに、県道115号から白鳥山登山口に続く「林道山姥線」、去年は災害復旧の為に完全通行止めだったようです。

県道115号も、道の脇には今でも雪が残る結構な山間地を走り、途中にはコンクリで覆われていない大きな崖があったりと険しい道です。舗装された道路ですが、所々土で汚れていました。通行の際は十分お気を付けください。

www.itoigawa-kanko.net

 

栂海新道について:

栂海新道ジオサイト | 24のジオサイト | 糸魚川ユネスコ世界ジオパークとは | 糸魚川ジオパーク | 糸魚川ユネスコ世界ジオパーク

*1:動画よくわからないので、ドライブレコーダーの動画を一枚一枚コマ送り>画像コピー>gif制作アプリ>gif切り出しアプリで作りました(笑) 

金太郎の山といえば、やっぱり箱根の『金時山』? May 17, 2019 【金太郎ゆかりの山②】

そろそろ5月も終わり!来月には北アルプスの一部の山が登れるようになります!(冬山は知らない!)

さて、今月もいつものように里山を中心に登山してきましたが、

  1. 信州の筑北三山(四阿屋山、聖山と姨捨山)
  2. 虫倉山(大姥様の山姥伝説)
  3. 大姥山(大姥様と金太郎伝説)

だんだん伝承が残る山にはまってきました。

むむ、金太郎伝説?金太郎といえば、箱根の「金時山」でしょ!

ということで、大姥山に登ってる最中に思いついて、はるばる行ってきました、金時山

なんだか、日本昔話シリーズとなってきました(笑、少々記事長いです。4000文字程度

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Contents 

 

金時山ガイド

私事ですが、金時山は中学時代に登ったような登ってないような? 曖昧な記憶のまま実家に立ち寄り、親に話を聞くと……

父と私の友人と自分で箱根の外輪山(明神ヶ岳)に登った時、金時山の手前で下山したそうです。

峠から金時山の特徴的なピークが記憶に残っているのは、下山時の心残りの思い出なのか……

だいぶ時を経て、リベンジの金時山です!

 

金時山(猪鼻山) (きんときやま、いのはなやま)難易度:★★☆☆☆*1 ※山頂近くは急登&階段!

【所在地】〒410-1315 静岡県駿東郡小山町桑木

【アクセス】御殿場ICから30分(16㎞)、または大井松田ICから35分(19㎞)

【山頂標高】1,212m(三等三角点)

【登山口標高】840m

【コース距離】4.3km (足柄峠コース、車止めゲートからの往復)

【参考コース時間】計1時間40分(休憩含む)

【展望良さ】★★★☆☆ (主に富士山と箱根方面の展望良好)

【山域地質】35~30万年前の玄武岩からなる火山体の一部。詳細は「箱根と金時山の地質概説」の項参照。

 

 

金時山のハイライト

1.何と言っても富士山と箱根の眺望です!

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2.金時娘!

足柄峠コースでは、運が良いと金時娘さんの登山風景が見られるかもしれません。

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登山道詳細(足柄峠コース)

比較的駐車場が空いていると噂の足柄峠コースから金時山に入りました。足柄峠から林道「矢倉沢仙石原線」に入り、砂利道と舗装道路を進むこと2㎞で駐車場に至ります。

当初の予想とは異なり、平日だったにもかかわらず、駐車場にはすでに10数台の車が停まっていました。ナンバーを見ると小田原や御殿場方面の地元の車がほとんどでした。 金時山大人気です!

信州と比べると人口の多い地域のせいもあるのかな? 因みに長野県は、横浜市大阪市名古屋市よりも人口が少ないです。

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小さく見える人影。追いつけると思ったら…… 1000回以上登ってる方のようでした。

 

駐車場は2ヶ所あり、林道ゲートの手前とその100m手前にあります。

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金時山と林道ゲート 

 

ゲート通過後、しばらくは緩やかな登りの林道を歩きます。 途中、視界が開け道が広くなると「猪鼻砦跡」です。

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砦跡にはベンチがあり、富士山の眺望を楽しみながら休憩できます。

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砦跡から数分歩くと、いよいよ本格的な登山道になります。駐車場から20分ほどです。

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右の青い建物は、荷揚げ用の滑車を管理する建物です。が、実は荷物だけでなく……

 

鳥居をくぐると、

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急登が始まり、階段かいだんカイダン……

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登山道はよく整備されており、急登にもかかわらず非常に登りやすかったです

 

登山道の横に張られているワイヤーから何やら音が……荷揚げしてるのかと思いきや、よく見るとおばあさんが!大姥様かっ!!!

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肖像権の為、お顔は葉っぱに隠れております。悪しからず(笑)

 

金時娘さんが滑車に乗って上がっていくのを唖然と見送った後、気を取り直して登山再開。登山道から30分ほどで頂上到着です!

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最後の階段! 山小屋は2軒あり、左の建物が「金太郎茶屋」、右が「金時娘の茶屋」 

 

まだ金時娘さんは茶屋の中で準備中の様でした。

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金太郎茶屋の登山ノートを見て驚いたのですが、金時山は繰り返し登山のメッカのようですね。1000回以上登っている方がたくさん……(私にはマネできない)

 

山頂からの眺望

麓の街で通勤ラッシュに巻き込まれて、徐々に雲に覆われる富士山に焦っていたのですが、なんとか富士山見えました(;´∀`)

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大涌谷から富士山の眺望がすばらしいです! 

 

宝永山も見えます。 

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この日の二日後に噴火警戒レベルが2に引き上げられました。大涌谷の噴気が若干多いような……

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3年前に大涌谷に勤める知人を訪ねたのですが、

「ちょっと硫黄臭いでしょ?最近噴気が多いんだよ」

「ふ~ん、久しぶりに来たから良く分からないけど、多いんだね」

の会話の後、火山活動が活発になり(確か小規模噴火もしましたね)、立ち入り禁止となってしまいました。今回も私が遊びに来た後に……(-_-)

はやく火山活動が沈静化するといいのですが……

 

金時山の風景指示盤

山頂で風景指示盤を撮った後、金太郎茶屋で山のバッジを買うと、山小屋の女将さんが指示盤についてお話をしてくれました。

「富士山の横に描かれた山がいくつか違うので、あてにしない方がいいよ。指示盤も変える話があるし」と。

間違いに関しては詳しくは述べませんが、指示盤に刻まれた日付を見ると「金時山 海抜1213メートル 昭和32年3月建設 神奈川県箱根町」とありました。

私としては、これだけ古くからあるのだから、間違ってても残しておくのも良いのじゃないかなと思いました。山小屋の方も、私にされたように、登山客に説明できる切っ掛けにもなりますし。

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金太郎茶屋の入り口の足元に三等三角点があります。つまづきそう(笑)

 

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 金太郎茶屋で購入するともれなく金太郎飴がもらえます

 

金時娘と白馬岳の関係

指示盤についてそんなことを考えながら、もう一つの山小屋「金時娘の茶屋」の掲示板を眺めていると…… 

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白馬岳の指示盤を運び上げたのは、金時娘さんのお父さんだったのか!

中学生の頃、新田次郎の「強力伝」は読んでいたのですが、誰だったかはすっかり忘れていました。さらに、ちょうど知り合いがGWに白馬岳を登っており、いろいろタイミングが良く驚きました。

今年の夏は「強力伝」を読んで白馬岳に登らないと!

 

下山後の温泉!

下山後は静岡県側に下り信州に帰りましたが、途中静岡県小山町の「あしがら温泉」に寄りました。3時間500円。サウナ・露天風呂・アメニティ完備の気持ちの良い温泉でした!足柄峠から降りてすぐにありますので、よろしかったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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箱根と金時山の地質概説

金時山のある箱根は、2012年に日本ジオパーク箱根ジオパークとして認定されました。それ以来、大涌谷の箱根ジオミュージアムの開設やガイドの養成など活発に活動しているようです。

箱根火山伊豆半島が本州に衝突する頃、75万年前から40万年前(諸説あり)に活動を始めました。

活動時期はいくつかのステージに分かれますが、箱根の地形を大きく特徴づける大規模なカルデラ*2は、25~17万年前8~5万年前に形成したと考えられています。

その後も断続的に活動は続き、3200年前の神山の噴火を最後に、マグマ噴火は発生していません(水蒸気噴火は頻繁に発生しています)*3

金時山はこのカルデラが形成する以前、35~30万年前に形成した玄武岩質の火山体*4です。その後のカルデラ形成期に火山体の南部が崩落し、現在の山体となったと考えられています。

ちなみに箱根火山の研究は戦前から久野久らによって先駆的に行われ、戦後に大切な成果を生みました。箱根は日本の火山学の発展を考える上で、欠くことのできない火山なのです。

と言いつつも、詳細な1/5万地質図が出てないのは何故? 他の文献は著作権上使えない (-_-)

 

おわりに

金太郎シリーズはまだまだ続きます。乞うご期待!(えっ?しつこい?;)

 

ところで、今回選んだルートの「足柄峠」は、「古事記*5の「ヤマトタケル」が関東遠征から帰る際に、亡くなった妻を思い「あづまはや」と嘆いたとされる地です。

足柄峠」が古来からヤマトタケル坂田金時の言い伝えが残るのは、箱根峠が開かれる以前、平安時代までは日本の東と西を結ぶ要衝であり、多くの人々がこの地を訪れた結果なのかもしれませんね。

と思いながら、金時山の人の多さに戸惑うのでした~

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超私事になりますが、この山行の1週間後、実家の老犬が亡くなりました。わがまま犬でしたが、やっぱりいなくなると寂しいものです……間際に会えて良かったかな……安らかに……

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関連記事

cashel.hatenablog.com

 

参考ウェブサイト

 

参考文献

*1:★1ピクニックレベル、★3丹沢、★5穂高連峰 ※筆者主観。★1でも油断禁物!

*2:大規模な火山噴火により、地下のマグマがあった空間に上部の岩石が崩落してできた凹地

*3:マグマ噴火とは、その名の通り噴火時にマグマ(溶岩)を伴う噴火。水蒸気噴火とは、マグマが上昇するなどして、比較的浅い位置にある地下水が熱せられ気体となり爆発するもの(水の臨界点以上では発生しない、つまり高圧化の地下深い所では起こらない)。

*4:玄武岩質の溶岩、凝灰角礫岩・火山角礫岩の互層が主体:金時山溶岩グループ

*5:日本書紀」では長野・群馬の県境「碓氷峠」です。来年は日本書紀編纂から1300年の節目となります。

【登山@アイルランド】悪魔がかじった山 『Devil's Bit Mountain』は地平線まで緑の広がる大展望!April 2016

ブレクジット問題でとうとう首相が涙の退陣をすることになった混迷のイギリス。

そんなイギリスをかつて宗主国とし、第二次世界大戦後に独立した愛蘭土(アイルランド)。

先週の離婚条件緩和に関する国民投票では、80%以上の賛成となりました。僅差で離婚賛成が上回った20数年前の国民投票と比べると、敬虔なカトリック国であったアイルランドも世界標準の波にさらされているようです。近年では中絶や同性婚などが国民投票で認められましたね。

私が初めて訪れた時のアイルランドから確実に変わりつつあるようです。

 

なんて考えていたら、最近は山の記事ばかりで、私の愛してやまないアイルランドの記事が少ないなぁ……

ということで、

伝説級のパブでの伝統音楽の演奏や唄に感動し、知り合いのおじさんにウィスキーなみなみ一杯の刑を何度もくらった夜(笑)の翌日に登った、アイルランドの山のお話でも!

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週に一回しか開かないパブ。そこでは夜な夜な伝統音楽の演奏が繰り広げられ、その評判は全国に…… 

 

Contents 

 

"Devil's Bit Mountain" 登山ガイド

このブログを始めたばかりに記事にした "Devil's Bit Mountain"(悪魔に齧られた?齧った?山)。

アイルランドの聖人と悪魔の伝説が残るこの山は、私にとって一番馴染みのあるアイルランドの山です。

「悪魔が齧った山」は、アイルランド島中央部から少し南に下った牧草地広がる平原に、緩やかに起伏する山

悪魔が齧ったかのようなギャップが山の頂きに残るこの山に、ちょっと二日酔い気味の3年前、久し振りに登りました。

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Templemore 郊外から撮影 

 

Devil's Bit Mountain(でびるず・びっと・まうんてん) 難易度:★☆☆☆☆

【所在地】Glenreagh, Co. Tipperary, Ireland

【アクセス】車:ダブリン空港からM50>N7 (M7) >N62経由で2時間30分(160㎞)。列車:最寄り駅 Templemore Station から徒歩2時間(10㎞)……

【山頂標高】478m

【登山口標高】250m

【コース距離】5㎞弱

【参考コース時間】1時間30分ほど

【展望良さ】★★★★★×100! (大きな十字架が立つ山頂からは、緑の牧草地が地平線までずーっと広がります!40 shades of green~♪)

【山域地質】山腹は古生代シルル紀のグレイワッケなどのシルト~粗粒砂岩。山頂は古生代デボン紀の角礫からなる礫岩や砂岩、泥岩などの堆積岩(アイルランドの当該地域の地質図より)。

 

 

登山口駐車場まで

登山口駐車場と山頂までの登山道はよく整備されています。

 

アイルランド空港から(車)

多分参考になさる方はいらっしゃらないと思いますが、真面目に説明っと……

 

ダブリン空港から車で、環状線のM50(€3.10)からN7 (M7、ここまでは幹線で、よく整備されて走りやすいと思います)に乗り、2時間(140km)ほど西に進み、RoscreaでM62(地方道。石垣で囲まれたカーブの多い見通しの悪い道!気を付けてください……)に入り南に進みます。

Templemoreから登山道駐車場まで向かいます。街の中心のスクエア(広場)にはSparなどのスーパーがありますので、ここで食料と水を調達しても良いかもしれません。宿泊施設もスクエアにあります。

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アイルランド唯一の警察学校のあるTemplemore。そのスクエアにあるTown Hall

 

もし登山の前に宿泊をお考えならば、ホテルも良いですが、割安のアットホームなB&Bも良いかもしれません。Bed & Breakfastはアイルランドの民宿です。一般の民家を改装して宿泊施設として提供しており(民泊ではありません)、アイルランドの生活を垣間見ることができるかもしれません。

それと、体を動かす日の朝食はぜひアイリッシュ・フル・ブレックファストで!

ベーコン&エッグにブラックプティング、ソーセージ、ベイクドトマトとソーダブレッド+他にもいっぱい!

ボリュームたっぷりの朝食で、しっかりとエネルギーを体に注入して登山です!

アイルランドの料理はあまりおいしくないですが、これと揚げたてのフィッシュ・アンド・チップスは例外です(ヴィネガーかけてね)!

 

宿泊施設と料理に脱線しましたが、登山口駐車場までの標識はなく田舎道を走りますので、グーグルマップなどのナビを活用した方が良いでしょう。

simカードは、空港や大きな街のショッピングセンターなどのキャリアショップで、10数GBのものを1ヶ月単位の買い切りで、2, 3千円程度で購入できます。

 

 

因みに、アイルランドではイギリスや日本と同様に車は左側通行です。最高速度は高速道路で時速100km~120km、一般道は時速80kmです。街中は50㎞ほどに規制されます。住宅地などは道路の真ん中に速度規制の為のバンプ(減速帯)があります。

また、大きな交差点はラウンドアバウトと呼ばれる環状交差点が一般的です。環状交差点の進入口には "Yield" という止まれに似た標識があります。これは右方向に車がいなければ徐行進入可能、右方向に車があれば停止を意味します。十分気を付けて通行してください。

 

Templemore Stationから(列車)

 

列車で行く場合は、ダブリンのヒューストン駅(ギネス・ビール工場の目の前!)からCork 行きの列車(電車ではありません)に乗ってください。90分ほどで登山口最寄りの駅 Templemore Stationに着きます。

アイルランドには日本のようにタクシーが駅に止まっていませんので、一旦Templemoreの街に向かい、そこから登山口までタクシーで行くのが良いでしょうね。

 

登山後の観光について:Templemoreは小さな町で観光地もあまりないので、登山後は列車に乗って、アイルランド第二の都市 Cork(近くにタイタニック最後の寄港地Cobhがあります、建造地はベルファスト)や、アメリカからの観光客賑わう湖と山のKillarneyに向かうのも良いでしょう。

 

駐車場から山頂まで

駐車場から直登コース(看板のYou Are HereからLittle Rock)を進みました。比高差200mほどですので、ハイキング気分です!油断はダメだけど!

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アイルランドの看板にはアイルランド語も併記されます。

 

春先に咲く黄色のハリエニシダ(地元ではゴーシュ、ファーズといいます。繁殖力が強い為、農家には悩みの種だそうです)の花を見ながらのどかな農道を上がります。

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途中の牧草地には羊が!

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かわええ~(*´ω`*)

 

振り返ると、すでに緑が広がってる!

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バスタブは水呑場? 

 

牧草地から針葉樹林帯を少し歩くと、円塔が見えてきます。

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知合いに車を出してもらいました……(笑)この方は前の塔で待機。
 

塔はフォーリーと呼ばれ、貴族たちが贅沢の為に建てたものです。手前の石は以前の記事にも書きましたが、イギリス統治時代のカトリック弾圧の名残です。

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前来たときは柵なかったような…… 

 

ハード(直登)を進みます

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登山道途中、グロット(洞窟を模した石積みの中のメアリー像)のマリア様が登山者を見守ります。

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グロットは、アイルランドの街や集落に必ずあります

 

あの崖は氷河性堆積物だったような……崖を左(西)から回り込みます。

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頂上の十字架がチラリ 

 

崖を回り込むと、チンネと牧草地!

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久し振りの登山(といってもハイキング)で脚が…… 

 

駐車場から30分ほどで、頂上到着です!

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以前登ったときは、たしか聖パトリックの日(3/17)だったなぁ

 

頂上からの眺め

見よこの眺め!人がごみ……じゃなくて

ジ・アイルランドです(笑)ほんっと、すばらしい!

アイルランドに帰りたい~☘

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山頂から南方の眺め

 

北から時計回り!(上の写真の反対側)

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この景色、癒されます~ ☘☘☘

また登りに行きたいな~

 

ちなみに、上の写真のどれかにアメリカのオバマ前大統領のひいひいひぃぃおじいちゃんの街Moneygall が見えるかもです……在任中に訪れたことがあるそうですよ。

それと、写真中に風車が見えますが、アイルランド再生可能エネルギー開発を意欲的に進めてます(発電量の20%を占める)。しかも、日本よりも地質的に安定しており地震や火山の無い国ですが、原発はありません。

 

おわりに

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山頂のギャップ。

悪魔が齧ったとされていますが、実は、この山の南には悪魔が齧った石を吐き捨てて丘になった場所があります。

その丘の上には、約1000年前にアイルランド全土を統べる王様の居城がありました。

それはまたいつか記事にしたいと思います~(前もそんなことを言ったような、笑)

 

関連記事

cashel.hatenablog.com

信州っていいなぁと思う瞬間

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黄昏の北アルプス松本盆地鉢伏山高ボッチ山山麓)で撮影。

言葉も出ない程に素晴らしい景色でした!(いつものカメラとレンズ。見よう見まねで撮っているので、少しでもその雰囲気が伝わるといいけど……)

 

2枚目の真ん中二つのピークは穂高連峰のはずだけど、どれになるのだろう?

別の日(1月末)にもう少し南から撮った写真で位置関係を確認すると、前穂と奥穂のようです。

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農道で写真を撮ってたのですが、

軽トラが横を通り、怒られるのかなぁと思ったら、わざわざ降りてきて

もっといいところあるぞ!

さらに、

ほら、槍ヶ岳が見えるぞ!(2枚目の写真にちょこっと写っています)

写真はイイよな~と去っていったイイおじさん!(*´▽`*)

ありがとです!今度はおすすめの場所に行ってみよう~♪

 

そうそう、今日は長野と岐阜の間にある「南木曽岳」で面白い経験をしてきました。その話はまたのちほど~

この前買ってきた白馬ビールのIPAを飲みながら~ (@^ ^)/~~~

金太郎を鍛えた山!信州の金時山『大姥山』は鎖場連続! May 16, 2019 【金太郎ゆかりの山①】

みなさんよくご存じの金太郎伝説。

金太郎という名は坂田金時の幼名であり、平安時代前期の源頼光(弟の頼信は河内源氏の祖であり、源頼朝に繋がる)に仕える四天王の一人でした。また、金時豆は金太郎の赤い肌に因んで名付けられたそうですね。

さて、幼いころから怪力で知られた金太郎が、動物たちと相撲の稽古をしていたとされる山と言えば、箱根の「金時山」が良く知られていますね。

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足柄峠足柄山聖天堂のクマに跨りマサカリを担いだ金太郎。大涌谷がまた活発化したようで、噴火警戒レベル2に引き上げられたようですね……(えっ?箱根?訳はのちほど

 

実は、私の住む信州にも金太郎伝説が伝わる山がいくつかあります。

先週はそのうちの一つ。旧八坂村(長野県大町市)にある「大姥山」に、金太郎が育った山がどれくらい険しいか調べるために(笑)登ってきました!(すごかった!)

先日の山姥伝説のこる虫倉山に続き、昔話に出てきそうな里山です!

 

Contents

 

 大姥山登山ガイド

「大姥山」は、比較的新しい火山からなる箱根の「金時山」と異なり、堆積岩(1000万年前以降にこの地にあった海に堆積した地層)からなる山です。その堆積岩が作る山容は標高1,000mほどにも拘らず、鎖の連続する痩せ尾根で険しく、金太郎がここで修業していたことも納得できるほどです。

登山道は鎖場が大半を占めますが、鎖に頼りすぎることなく、細心の注意を払って登ってください。

※以下に続く大姥山の記述は筆者個人の感想です。また季節や気象条件によって、登山道周辺の環境は大きく変動します。登山をする際は、ご自分でもよくお調べになり、十分な装備を整えて楽しんでください!

 

大姥山(おおうばやま) 難易度:★★★☆☆*1 ※急登・連続した鎖場あり!

【所在地】〒381-2424 長野県長野市信州新町左右

【アクセス】安曇野ICから40分(30km)または、長野ICからは45分(38km)ほど。

【山頂標高】1,003m(二等三角点は1,006.4m)

【登山口標高】556m

【コース距離】7.8km (登り:金太郎の散歩道、下り:大姥の散歩道)

【参考コース時間】計4時間30分(休憩含む)

【展望良さ】★★★☆☆ (主に南方面の展望良好)

【山域地質】高府向斜のほぼ軸部に位置する。岩石は新第三紀の小川層の論地部層。砂岩、砂質泥岩、礫岩からなり岩相変化が著しい(1/5万地質図幅「大町」)。

 

  

 

登山ルートのハイライト

「大姥山」のハイライト・シーンは、以下の3つです。

1.大姥神社本宮から続く鎖場の緊張感

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2.奥社の「大穴」の堆積岩が作る造形美

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3.頂上からの北アルプスの眺め(当日雲がかかってましたが…) 

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「登りやすい・楽しめる山」かというと、以下の注意事項や廃屋が多い事を考えると、万人向けの山ではないかもしれません。しかし、北アルプスなどの本格的な山に登る練習として、また地元に伝わる伝承に触れながら登る里山として見るならば、おすすめの山と言えるでしょう。

 

注意事項ですが、鎖場では決して鎖に頼り切らず(一部支点が緩い箇所もありました)、ご自分の手と足をメインに三点支持を心掛け、鎖は補助としてお使いすることをお勧めします(この山に限りませんね)。

また下山ルートに選んだ「大姥山の散歩道」は所々標識が無いまたは分かりづらいので、十分注意して通行してください。

 

登山ルート詳細

登山口から頂上まで

登山口までは、国道19号線沿い大町市八坂の赤土停留所付近のカーブから県道469号線に入ります。金太郎の壁画が目印です。

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県道469号線(右)から国道19号線(奥)。壁画は松本市側から見えます。

 

登山道はいくつかありますが、今回は大姥の滝に向かう林道(県道469号から分岐) の途中にある登山口から登りました。

この登山道から大姥神社の参道まで上がり、参道から金太郎の散歩道を経て大姥山頂上を目指します。

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県道分岐からすぐ右手にある廃屋の手前から、登山道が始まります。

 

結果的にこの登山口は失敗でした…… 入り口から進み100m程で道が無くなりました(汗)。素直に参道を上がるのが良さそうです。参道は車でも上がることができ、数台の駐車スペースもあります。

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写真左下の踏み後が上がってきた道。標識は外されていますね……地形図にはしっかりと出ているのですが…… 舗装道路は参道。

 

参道を上がると程なくして駐車スペースのあるトイレがあります。その先の鳥居をくぐると大姥神社本宮が見えてきます。神社建物奥、向かって左に立っている金太郎の看板から登山道(金太郎の散歩道)が始まります。

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登山道はすぐに鎖の連続となります。垂直に切り立った急斜面ではありませんが、砂岩主体の岩をよじ登ることになります。鎖は新しいですが、頼りすぎないように。

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途中、二人目の金太郎が睨んでます(笑)

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 そして、鎖……

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途中のベンチで一息つき……

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また鎖……(汗)

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何本の鎖があったか忘れた頃に3人目の金太郎が現れ、登山道が分岐します。右が山頂へ。左は金太郎と大姥様が住んでいたとされる「大穴」への道(行き止まり)となります。

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ここまで来たら、金太郎も褒めてくれています(のように見える、笑) 

 

大穴方面に向かうと、途中1ヶ所に鎖がありますが、落ち葉の厚く積もったトラバースする道を進みます。5‐10分ほどで大穴にたどり着きます。大穴には大姥神社奥社があります。

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堆積岩に穿たれたおっきな穴……なぜここに…? 地面は堆積岩からこぼれてきた砂で砂浜のように……山上の砂浜~

上を見上げると、ハチの巣のような穴が無数に。この穴は「タフォニ」といい、成因に関してはまだまだ決着が付いていないようです。

ウィキペディアに挙げられていた文献をざっと読んでみると、塩類による説明が優勢のようですが、いづれにしろ、岩石の表面の一部(結晶や礫など)が剥がれ落ち、物理的・化学的な風化が進み空隙が拡大したもののようですね……

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堆積岩って不思議な模様をつくるなぁ…… 

 

表面の様子を観察すると、堆積学の授業に出てきそうな構造が! 

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左の割れ目に沿って大穴が出来たのかな? おっ!右の礫層が下の砂の層を不整合に覆って…… 浅海化したのかな?

 

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おぉ、クロスラミナが立体的にみえる…!なつかしい(笑) 

 

大穴の堆積構造の観察に満足して、先ほどの金太郎の所まで戻って登山再開。鎖は続くよどこまでも!というくらい(汗)、痩せ尾根&鎖場が連続します。

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多くの鎖はしっかりと固定されていましたが、中には緩いものがあったので、飽くまでも鎖は補助! 

 

もう勘弁して!と言いそうになるころに頂上到着です!

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あら、電波塔が……もしや林道が…? 

 

頂上からの展望は、北は樹林帯で遮られていました。しかし南方面の展望は良好で、北アルプス南部、筑摩山地の山々が見えました!

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北アルプスは雲で覆われ(涙)。右端の里山二つは南鷹狩山と鷹狩山。

 

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雲の狭間から、北アルプス烏帽子岳が !(真ん中のぽこっと突き出た部分)

 

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聖山とたらら山(左)、四阿屋山、美ヶ原方面と京ヶ倉・大城(右端、やっぱり似たような山が左右に)

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 長野市信州新町方面。左奥の三角形のピークは北信五岳の飯縄山

 

頂上から登山口まで

風景を楽しんだ後、「大姥の道」を進み、登山口まで下山します。

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やっぱり林道あった(笑) 

 

分岐の道標がありますが、林道を進んでください。右の写真に来たら、左の山道を登ってください。そのまま林道を下りてしまうと、山の向こうに着いてしまいます。

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私は標識が指し示す斜面を上がりましたが、昔の朽ち果てたアスレチック・コースでした(平均台と書かれた看板がありました)。

 

山道を数分上がると分岐に出ます。「布川峠」方面を目指します。

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三角点も行きましたが、木立に囲まれ見通しが悪かったです。 

 

分岐点を振り返ると、上に続く道が三角点へ、下の道が布川峠です。

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布川峠へは途中崩落部分があるので、100m程の距離の巻き道を通ります。

この大木まではややトラバース気味の登山道。これ以降、稜線を下ります。

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大木の根元には古ぼけた石碑が…… 

 

標識の無い分岐(涙) ええい!と下の道を選ぶと……

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標識は……

 

行きついた先に看板があり、来た道は通行止めでした。全然通れたけど!

ここから「山姥の滝」方面へ、斜面を下ります。この区間から登山口まで、廃屋が点々とみられ、独特な雰囲気があります……(ちょっと不気味です

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この標識の周りには石仏があります。


廃屋が2軒あるところまで下りてきたら、林道になります。

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写真手前にもう1軒あります。 生活感があって人が住んでいるようでした……

 

通行止めの先を進みます……

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車が進入禁止ということなのでしょうね。

 

途中にスギ林が開けたところから、先ほど登った尾根(金太郎の散歩道)と大姥山が見えました。 

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意外となだらか?

 

しばらく進むと舗装された林道に合流し、やがて登山口に到着です。

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おつかれさまです!

 

おわりに:下山後、衝動的に…… 

鎖場を登っている最中に、

「そういえば、箱根の金時山、中学の時に登ったような登ってないような……」

「どっちだっけ?」

下山後、生坂村の「やまなみ荘」に向かっている最中に、

「覚えてないから、登りに行こう!」

お風呂で汗を流した後、長野の山奥から国道19号と20号を辿り、一路箱根を目指すのでした……

 

つづく……(笑)

 

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参考文献・ウェブサイト

  • 山域の地質図:加藤碩一・佐藤岱生・三村弘二・滝沢文教(1989)大町地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅), 地質調査所, 111p. (リンク産総研地質調査総合センター)
  • タフォニの成因まとめ(英文):Paradise T.R. (2013) Tafoni and Other Rock Basins. In: John F. Shroder (ed.) Treatise on Geomorphology, Volume 4, pp. 111-126. San Diego: Academic Press. (link, ResearchGate)

*1:★1ピクニックレベル、★3丹沢、★5穂高連峰 ※筆者主観。★1でも油断禁物!