山と愛蘭土 ☘ Sliabh & Éire ☘

山の歴史やアイルランドの文化を綴っていきます

【アイルランド音楽】2019年の『ケルティック・クリスマス』は行かない理由がないっ!【ケルト音楽】

最近、山ネタが多すぎる……

なので、今回は久しぶりに「アイルランド*1」ネタです!

 

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アイルランド伝統音楽……

人々の心を鼓舞しながらも、一方で哀愁を感じさせる旋律……

 

どこかしら我々日本人の心に通じるアイルランド音楽は、徐々に日本でもポピュラーになってきました。最近は芸大出身の方達を中心*2アイルランド音楽ムーブメントが少しずつ浸透してきているようです。

その甲斐あってか、私はテレビを見ないのですが、たまに実家に帰ってテレビを付けると必ずといっていいほどアイルランド音楽を耳にします*3

私の住む街のアイリッシュパブでも、夜な夜なギネスやキルケニーを飲みながら演奏に酔いしれる大学生の姿を見かけます。 

 

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こんなふうに、アイルランド音楽を耳にする機会が日本でも増えてきましたが、今年も半年が過ぎ折り返しを迎えます。アイルランド音楽好きであれば、そろそろ『ケルティック・クリスマス』(以下、ケルクリ)が気になるころです。

 

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「ケルクリ」は東京の錦糸町にある「すみだトリフォニーホール」を中心に行われる年末恒例のアイルランド音楽イベントです。このイベントでは、必ずアイルランド音楽界の大物が出演し、その年の日本におけるアイルランド・イベントの締めとなります!

まだイベント自体は半年先ですが、来月7月から予約が始まります。

 

「今年は誰が来るのかな?」

とチラシを見直してみると、今年の出演アーティストは、

  1. タリスク
  2. We Banjo 3
  3. シャロン・シャノン

 

おお!これは体力が持たないかも(笑)

3グループとも、しっとりと聴かせる演奏も魅力的なのですが、アップテンポな曲で聴衆をグイグイ引っ張るライブが持ち味です。ケルクリで彼らの演奏を聴けば、虜になること間違いなしでしょう!

 

それでは、ケルクリの出演アーティストをみていきましょう。

 

☘ ケルクリ出演アーティスト ☘

 

1.Talisk(タリスク)

スコットランドの新進気鋭の伝統音楽/フォークバンドです。コンサーティーナ*4のMohsen Amini をリーダーにフィドル*5とギターを加えた3ピースユニット。Mohsen がアレンジした「燃えるようなドライブ感」溢れる演奏に、時間を忘れてしまいます!

 

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繊細な旋律から徐々に…… 

 

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リーダー個人名義の演奏も。アグレッシブでいて、癒しも忘れない。

 

私も彼らの演奏をまだライブで見たことないので、非常に楽しみです!

 

2.We Banjo 3(ウィー・バンジョー・スリー)

お次は、アイルランド期待のブルーグラス*6の4ピースバンドで、アイルランド音楽の本場 Galway*7出身。

 

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初期の作品。素朴、だけどかっこいい

 

「あれ?バンド名に3とあるのに4人だよ?」

しかも、一人はギターでもう一人はフィドル。たまにバンジョーマンドリンになってるし?

 

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シャロンをゲストに賑やかに。こんな「どこでもドア」ほしい!w

 

名前からして不思議なバンドですが*8、二組の兄弟から構成されるバンドは演奏の息もぴったり合い、明るくもどこかしら哀愁漂う旋律、そして歌声&ハーモニーが魅力的です!甘いマスクも?w

 

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最近の曲。ちょっと軟派?でも悪くないってか、好きカモ

 

私は、2015年のケルクリで初めて彼らのパフォーマンスを見てからのファンですが、技巧的な演奏だけでなく、MCも含め彼らのライブパフォーマンスは観衆を魅せます!

 

さらに、さすがアイルランドコンペティションでチャンピオンになっただけあって、アイルランド音楽史にも造詣が深いです。

ライブ前のトークショーでは、1900年代初頭いかにアイルランド音楽がアメリカに渡りアイルランドに凱旋し帰ってきたか、1970年代の伝説的バンド "Planxty" が現在のアイルランド音楽にどのように影響を与えたのか等、興味深いお話に改めて驚きました*9

 

3.Sharon Shannonシャロン・シャノン

トリは、全アイルランド国民460万人中、知らない人はいないと言っても過言ではない*10アイルランド音楽のカリスマ的アイドル、アコーディオン奏者「シャロン・シャノン」!

彼女も We banjo 3 と同じく音楽の都 Galway 出身。1991年にリリースされたファーストアルバム "Sharon Shannon" は、アイルランド国内の伝統音楽売り上げ歴代1位をいまだに維持しているそうです。

 

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こんな旋律に魅かれる日本人多いはず。リフレインはずるいw

 

スコットランドの吟遊詩人」とも形容される「ウォーターボーイズ」にも参加した彼女は、今月8日に51歳を迎えましたが、その変わらない外見的な「愛らしさ」だけでなく、演奏にも磨きがかかっているようです。

 

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"Galway Girl" を歌えないアイルランド人はいない!(We Banjo 3も出演)*11

 

2013年の彼女が出演したケルクリでは、偶然にもアイルランド大使の真後ろの席で聴きましたが、シャロンが出演したとたんに大使は、あろうことかカメラを取り出し彼女を激写してました(笑)。彼女がいかにアイルランドでは特別な存在か、お分かりになると思います(笑)。

 

おわりに:アイルランド伝統音楽とは

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クレアの知人が住む村のパブでのライブ

 

アイルランド伝統音楽は本来パブミュージックであり、だれもが参加できる大衆音楽です。

ステージ上で演奏される音楽を有難く拝聴するのではなく、演奏者と聴衆の間がとても近く、ときに聴衆がいつの間にか奏者になっていたり、場の雰囲気を共有するのがアイルランドの伝統音楽だと私は思っています。

 

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私の行きつけの田舎のパブ。飛び入りの女性の歌声に……

 

暗いですが、パブでのライブ風景

 

ギネスあるいは私の大好きなエール Smithwick's を片手に、地元の方達が奏でる演奏や唄を聴き、演奏者たちや音楽を聴きに来た方達と語らい、楽しい時を彼らと共有することが、私の宝物の一つです。

 

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Smithwick's(スミスィックス)! 日本でも飲めるようにならないかな~

 

今回の「ケルクリ」の出演者たちも、ステージを乗り越えて聞いてる者たちに演奏を通して語り掛け、あたかもパブで聞いているように錯覚させるのです!

 

はやく12月にならないかな~☘☘☘

アイリッシュ・ウィスキー"Bushmills" をちびちび、Haven by We Banjo 3 を聴きながら……飲みすぎかw ちょっと熱くなったw 失礼しました <(_ _)>

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*1:イギリスの西にある北海道程の大きさ・人口の島国

*2:豊田耕三さん、沼下麻莉香さんやトリコロールなど

*3:バラエティー番組、CMやゆるキャンなどのアニメのBGM等

*4:蛇腹楽器の一種。アイリッシュダンスの伴奏にもよく使われる

*5:バイオリン。アイルランド音楽やカントリー音楽等ではフィドルと呼ばれる

*6:アイルランドスコットランドを源流とするアメリカの伝統音楽。カントリー音楽のジャンルの一つとして数えられることも

*7:ゴールウェイ:アイルランド西部の中心都市。人口8万人。音楽だけでなく、アラン諸島などの観光地でも知られる。ちなみに、私刑を意味する言葉「リンチ」は、この街で不祥事を起こした息子を独断で裁いた判事リンチ氏に由来するとも言われる

*8:フィドラー以外の3人がバンジョーを担当するので、We Banjo 3 なのです

*9:同席していたピーター・バラカンさんは、アイルランド音楽にあまり興味ないような印象でしたw もう少し勉強してからインタビューして!と思いましたw

*10:最近は移民が多いので、もしかしたら……

*11:あずき色の服を着た人たちやフラッグが見えますが、この色はGalwayカラーです(伝統スポーツなどで使います)。私のよく遊びに行く街はスカイブルー&ゴールドです