梅雨晴れの『常念岳』に久々のテント泊と初めての星景撮影!Jun 13-14, 2019
梅雨の晴れ間を狙い、常念岳へテン泊してきました!
久し振りの重い荷物は大変でしたが、苦労に見合う絶景が広がっていました!
今回は文章短め、写真多めです!
もう前置きめんどくさいし、早く写真を載せたいので…!!
なお、夜の部のみ三脚撮影です。
上の写真は、今年2月中旬に松本市城山公園から撮影したものです。右上のヘリは県警ヘリ?
※写真10数枚、地図、温泉情報を追記しました(6/16, 20:30)
※地質図も加えました(6/16, 21:15)
※改訂してたら文章増えた~w
Contents
常念岳の眺め!
常念岳をなめてました。ごめんなさい!
昼の部
以前、槍穂にしか目がなかった頃、常念岳は常に低く見えてあまりパッとしない印象でした(当たり前ですね)。ですが、逆から見ると、槍穂を眺める絶好のロケーションでした!
「本当にここ日本なの?」と思わせるほど、日本離れした景色が広がっていたのです!
ここに住みたいw
やり!
こっちから見ると傾いてない。
北穂と大キレット。
前穂、屏風ノ頭、奥穂。すり鉢状のくぼ地は涸沢カール。
石は穂高安山岩。その下には第四紀花崗岩(ウェストン碑周辺、明神の向こう側)。
乗鞍方面。
昔、明神岳に登った時にも思いましたが、上から見ると梓川の平坦面の異様さが際立ちます。周囲の山の大量の土砂供給と焼岳火山等の堰き止めによるものです。100万年程前はカルデラでした(地形は残っていません)。
前の週に登った燕岳。前景は横通岳、背景は針ノ木岳・蓮華岳や唐沢岳。
名残惜しや~
今夜は月夜……クッ
小屋とテン場、見えてきた! 奥の山は横通岳。
3張りか。静かなる夜。と思いきや、いびきが(笑)私も夜中ゴソゴソしてたし、お互い様かな……
ちょっと早いけど、ばんしゃく!
登り大変だったけど、最高の眺めをありがと~!
夜の部
星景写真は2回ほど練習しましたが、山では今回初めてです。数か月前に練習したので、設定を忘れてましたが……それでも撮れたのは、暗所撮影に強いカメラのお陰です。
それと、一眼レフのような本格的なカメラによる撮影は、今までの私の写真をご覧いただければお分かりのように、初心者の域です <(_ _)>
なお、Lightroom で現像しております。
今回の撮影時、月齢は十日夜の月でした。日の出2時間半前(午前2時頃)に月が没し、ようやく天の川が見えるようになりました。
月明かりの23時過ぎ、北穂高小屋に明かりが……
普段使いのレンズで撮影。しかもC-PLフィルターつけっぱなしww。ピントの目盛りがないので、ピント合わせるの大変でした。
午前2時。ようやく月が沈む。
常念岳の西斜面に天の川が!
天の川を挟んで、右の明るい星は木星で、左のやや明るい星が土星。
ここから3枚は魚眼レンズ。
松本側にカメラを向けると、天の川が天の架け橋のように!魚眼の写り方なかなか面白い!ピント目盛りも有り無限遠出すのも楽だし、広大な画角は星景向きかな。
槍穂にカメラを向けて。
天の川の下の明るい部分は、常念小屋の明かり。
お隣のテントを借景に
色々露出時間(iso6400、F値最大)を変えて撮りましたが、30秒以上だと星が流れてしまうので、露出時間は短め。現像しましたが、ちょっと暗めです。
アストロトレーサー(簡易赤道儀)を持っていきましたが、テントから薄氷がパラパラ落ちるほどの寒さの中、ぶんぶん振り回してキャリブレーションするズク*1はありませんでした……
カメラが重いので(それでもフルサイズよりも軽いですが)、ミニ三脚 Manfrotto PIXI EVO 使用。テント前で撮影する分には小ささは気になりませんでしたが、自由運台が欲しかったです。それでも、サイズ、価格と今回の撮影状況を考えると悪くはないと思いました。
朝の部
山行中は日没後の数時間を除き、晴れほぼ無風で穏やかな状況でした。
日の出は……下の写真を見てください!
日の出前、上信国境。
日の出。
槍見てたら、いつのまにか!(志賀高原の岩菅山と横手山の間かな?)
後を振り向くと、モルゲンロート!
(ことばにならない……)
(いかどうぶん……)
おはようございます<(_ _)>
常念乗越からほぼ全景。
四阿山。
浅間山。
美ヶ原高原。右端に蓼科山。その間に御座山。
八ヶ岳。諏訪の上空には雲海が。
次はあの山だ!(いや、もう少し待て……)
登山道の状況
常念岳へのルートはいくつかありますが、松本盆地から直接アプローチできる「一ノ沢登山道」を選択しました。
下記の危険個所に気を付ければ、体力のある初心者の方ならば経験者同伴で登れると思います。が、慎重に。
一ノ沢登山道*2の状況(6/13-14時点)
- 登山口の広場(1,320m)は駐禁。登山ポスト、トイレあり。
- 登山口から徒歩20分下流に駐車場二つ(1,220mと1,200m)あり、20‐30台の広さ。
- 登山口から最終水場(2,190m)までは主に一ノ沢沿い。何回か沢を渡るが、多くに丸太橋あり。ただし、橋の無い渡渉ポイント2ヶ所あり、雪渓直下の渡渉ポイントは特に気を付けたい。
- 1,970m付近から最終水場までは、夏道(左岸の斜面)ではなく雪渓(長さ500m、高さ200mほど)を歩く(6/13-14時点)。
- 最終水場から常念乗越までは、急な小尾根を開削したつづら折りの登山道(道のり1㎞、標高差200mほど)。
主な危険個所として4つ(6/13-14時点)
- ルート上部の雪渓
- 雪渓直前の渡渉ポイント
- 最終水場の直上のガレ
- 沢沿いの登山道(中下部全般)や丸太橋など
以下、詳説。
1.雪渓自体急傾斜ではない。しかし雪渓末端・両端や中央部は薄く、崩落の危険性あり。両岸から1/3の部分を歩くと良いと言われている。日光が当たり気温が上昇すると、雪が緩み滑りやすい。特に下山時。不安な方は軽アイゼンの携行を。また、所々に落石あり。落石発生時は雷のような音が鳴るが、雪渓を落ちる時は音が小さいので気を付けたい。やはり、気温の高い時に発生しやすい。落石から逃げる方法は、落石から目を逸らさないこと(だそうです。自分には出来る自信がない…)。ルート上は雪渓分岐や最終水場にはロープが張ってあるが、トレースが不明瞭で、目印の旗が倒れていることが多々あったので、ガスっているときは迷わないように。基本、雪渓分岐を右に登ればよい。右の斜面を高巻きする夏道はこの時点では無視。これから雪渓が融けてくると夏道も使うことになるので、下記の小屋番ブログを参照されたし。
左:下部末端、右:最終水場
2.緑のロープが渡してあり、水量が少なければ渡渉自体は楽だが、石を渡るときに滑らないように。増水時には十分注意を。
渡渉ポイントに緑のロープ。上の雪は登山ルートの雪渓末端部。
3.最終水場直上にガレた斜面が1ケ所あり、時折小石が降ってきた。木材で補強された登山道にも小石が沢山積もっていた。通行の際には落石に十分気を付けたい。
4.登山道の中下部は主に沢沿いで、ルート上に水が流れていることが多々あった。沢にかかる丸太の橋も小さいので、雨天時の増水にはくれぐれも注意を。
最新の情報は、常念小屋の「小屋番ブログ」でご確認ください。
常念乗越(常念小屋 2,466m)ー常念岳(2,857m)*3の状況
特に危険個所なし。ガイドのマークも多く、晴天の昼間であれば迷う危険性は低い。ただし、登山道には石が多いので浮石による転倒には気を付けること。また東の急斜面に迷い込まないように。
常念乗越から見えるピークは、偽ピークなので騙されないように!
登山道の石について
沈み込み帯の大陸側によくみられる付加体堆積物*4に花崗岩類*5が貫き、熱変成を与えている。このため、付加体堆積物は再結晶した細かい結晶からなり、直射日光の下でキラキラ輝く。
出典:産総研 地質調査総合センター発行の1/5万地質図幅「槍ヶ岳」「信濃池田」「上高地」「松本」。「引用文献」の項に詳細情報。地質図の二次利用については、こちらを参照。
なお、おもしろい模様の石があるかもしれませんが、登山道周辺は中部山岳国立公園の特別保護地区・特別地域となりますので気を付けてください。植物だけではなく、岩石採取も禁止されています(山菜取ってるおじさんいたけど……)。
とるなら、石や植物ではなく写真を!
左半分以上の白い部分が花崗岩。レンズキャップ右の黒い部分が付加体堆積物。
下山後のお楽しみ:おんせん!
「ほりでーゆー四季の郷」入浴料金:530円、営業時間:9:00-21:30(21:00受付終了)
里に下りて烏川を回り込みますが、「国営アルプスあづみの公園 (堀金・穂高地区) 」に隣接する森に囲まれた温泉宿泊施設です。露天風呂からは常念岳を望めます!周囲にはキャンプ場もありますよ。
おわりに
ほんっッとーーに、よかっっつた!!!
以上! <(_ _)>
使用機材(カメラ関連)
- PENTAX KP | RICOH IMAGING
- HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR | RICOH IMAGING
- smc PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED[IF] | RICOH IMAGING
- PIXI EVO 5段階調節ミニ三脚 | Manfrotto
引用文献
- 原山 智(1990)上高地地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の 1 地質図幅),地質調査所,175 p.(リンク、産総研地質調査総合センター)
- 原山 智・竹内 誠・中野 俊・佐藤岱生・滝沢文教(1991)槍ヶ岳地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅).地質調査所, 190p.(リンク、産総研地質調査総合センター)
- 加藤碩一・佐藤岱生(1983)信濃池田地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅), 地質調査所, 93p. (リンク、産総研地質調査総合センター)
- 加藤碩一・佐藤岱生・三村弘二・滝沢文教(1989)大町地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅).地質調査所,111p.(リンク、産総研地質調査総合センター)