【悪霊退散】思わず驚かずにはいられない!村の守護神『芦ノ尻道祖神』@旧大岡村(長野市大岡地区)その2
いまはむかし、信州の山の中を傷心ドライブしていた時……
山間の曲がりくねった視界の悪い道……
恐る恐る車を走らせていると、眺めの良い展望台が!
「ふぅ~、つかれた~」
車を停め、一息ついて風景を眺めていると、何やら気配を感じて振り向くと……
うぁ!!!びっくりsた!!!
なんぞこれー!!!
吐いた息を飲み込んじゃいました(笑)
なまはげにも劣らないこの迫力あるお顔は、集落の人々が持ち寄った松飾りのしめ縄でつくられた「芦ノ尻道祖神(県指定無形民俗文化財)」です。
芦ノ尻道祖神は、旧大岡村(現長野市)の芦ノ尻地区の外れで悪霊が集落に入ってこないように睨みを利かせています。遊びに来た人も睨まれて、びっくりしますが(笑)
毎年正月七日に行われる芦ノ尻の「道祖神祭り」では、無病息災と豊作を祈願して道祖神の神面が新しく作り直されます。集落を守ってくれた前年の神面はどんど焼きで自然にお帰りになられるそうです。
左:2019年、右:2016年
神面は目、鼻、口、眉毛、口ひげ、あごひげ、冠を形作られ、悪霊が集落に入ってこないように威厳を持たせています。新面の他にも、御神酒樽、三つ重ねの酒杯、肴(鯛)がお供え物としてつくられます(お酒好き♪)。
ちなみに、この芦ノ尻道祖神は1998年長野オリンピックの開会式に出演し、全世界・全国的に知られたそうです。お茶の間で開会式を見ていた人も驚いたでしょうね……
ところで、信州では道の神様として「道祖神」はよく見られ、珍しくありません。しかし、藁製の迫力のある芦ノ尻道祖神とは異なり、優しいお顔立ちの男女が寄り添う石造の道祖神が一般的です。
北アルプスからの湧き水を利用したワサビ田が街の方々で見られる「安曇野市」では、500体以上もの石造道祖神が街の人々の生活を見守っているそうです。
一方で、芦ノ尻道祖神は信州では珍しい「藁製道祖神」です。案内板の説明によると、このタイプの道祖神は東北地方や新潟に多いそうですね。
地域ごとに特色のある道祖神ですが、芦ノ尻道祖神の始まりは明治時代初期に芦ノ尻村で病が流行ったときだそうです。もうこれ以上病が村に入らないように、医者が村の入り口に作らせました。
医者が神頼みとは!匙を投げるほどの流行り病だったのでしょうね。
それにしても、どのような経緯で、この土地では一般的でない「藁製」の道祖神にしたのでしょうか…?
それは芦ノ尻道祖神のみぞ知る……のかな? (匙投げ……(*´▽`*)
毎年変わる個性的なお顔は、見慣れてくると愛嬌があるように思えてきます。
今回は長野市中条の虫倉山登山の帰り、大岡温泉の後に寄りましたが、
また来年も会いに行こうかな~♪
参考サイト:
芦ノ尻の道祖神 −長野市 大岡 芦ノ尻− ←お祭りの様子や歴代の道祖神が見られます!