一等三角点はダテじゃない!パノラマビューの『聖山』@信州【筑北三山ハシゴ登山②】May 3, 2019
聖山(台状山頂の左側。右はたらら山)。長野市中条、アルプス展望広場・夢の駅から撮影
長野県北部の中心を貫く筑摩山地には、日本列島形成後、フォッサマグナ地域で活動していた火山(主に第三紀鮮新世、数百万年前)が多くみられます。
火山体としての地形は失われているものが多いですが、たとえば美ヶ原高原は溶岩流による大規模な台上地形を残しています。
その北に位置する、玄武岩からなる聖山も台上地形を形成しており、溶岩流によるものであると考えられているようです(笹沼・山元, 2012など)。
メンドクサクナッテキタ
筑北三山の最高峰「聖山」
「聖山」とは?
では、信州の「聖山」とは?
これが「聖山」です。(上の写真、正確には聖湖)
里山に全く興味がなかった私がどうしてこんな山に登ったのか……?
- 体力がない!(切実)
- 適当に登ってたら着く!(横着)
- でも、眺めがイイところがイイ!(我儘)
そんな軟弱者の欲求を満たしてくれるのが「聖山」ですw
実際、車でも頂上まで上がれちゃいます(白目)
エット……スミマセン……
「聖山」は長野市と東筑摩郡麻績村の境に広がる「筑北三山」の一つです。「聖山」という山名は、この地に由縁のある鎌倉時代の仏教僧にちなむ説や、湧水池を樋尻(ひじり)と呼んだこととも言われているそうです。
因みに、所在地の一つ麻績村は「おみむら」と読みます。知らないと読みにくい地名ですね。村の名前の由来は、村長さんが説明されています。
「聖山」は一等三角点が設置されています。先日登った「京ヶ倉・大城」には三等三角点があり、北アルプスの眺めを堪能してきました。
兼ねてからよく耳にしていた「聖山」の一等三角点からの素晴らしい眺め。噂に違わぬものか?「京ヶ倉・大城」を越えるものなのか?と期待して、筑北三山の最高峰「聖山」に登ってみました!(通常運転に戻ったw)
登山データ
『聖山』 難易度:★★☆☆☆*1
【所在地】長野県東筑摩郡麻績村。長野道麻績ICより坊平登山口まで車で30分
【標高】1,447m
【高度差】360m
【歩行距離】5km
【歩行時間】2h
【展望良さ】★★★★☆ 北アルプス南部等、一部木立で見えません。電波塔も地味に邪魔……
【難所有無】なし。鎖場など無く、良く整備された登山道。
【山域地質】第三紀末、鮮新世(数百万年前)。安山岩ー玄武岩の溶岩や角礫岩からなる。その上に第四紀更新世の大町テフラ(広域火山灰)が覆う。基盤は中新世後期、裾花層(流紋岩ー安山岩質)や小川層(砂泥互層など堆積岩主体)。
登山ルート概要
- 坊平登山道(南斜面)
- 三ツ和峠登山道(主稜線上)
- 裏ルート*2
今回の筑北三山ハシゴ登山では、ルート1「坊平登山道」から聖山に上がりました。坊平登山道は聖山南斜面を上がり、稜線でルート2「三ツ和峠登山道」と合流し聖山に至ります。
登山口までは、車で麻績村中心地から法善寺へ向かい、お寺の前を通り山腹を20分程上がります。やがて聖山別荘地になり、しばらく走らせると坊平登山口が左手に見えてきますが、周辺に駐車場はありません。100m程先のカーブに駐車できる広場があり、そこから登山開始です。
駐車スペースと登山口
登山口から標識通りに別荘地の車道を上がると、登山道に切り替わります。
車道から登山道に切り替わるポイント
のどかな登山道を30分ほど進むと熊笹が出てきて、すぐに稜線になります。
登山道はよく整備されており歩きやすい。下草が熊笹に切り替わると稜線が近い。
上水道施設のある稜線に出て振り返ると、坊平方面の標識がありませんので、帰りに間違わないように気を付けてください。
稜線に到着し振り返ると、左がルート2の三ツ和峠へ。右が今まで来た道、坊平方面。
進行方向に向くと、左が聖山方面になります。20分ほどで山頂に着きます。
聖山へは左の道
稜線ものどかな道が続きますが、あずま屋を巻き頂上方面に進むと滑りやすい登りになるので気を付けましょう。ここが一番きついかもしれません。
あずま屋の分岐。右に進むと頂上へ。
山頂眺望
一等三角点だけあって(三角点撮影するの忘れた……)、眺めは抜群でした!が、北アルプスの一部(餓鬼岳から常念岳)が木立に隠れており、ちょっと残念でした。360度ではなく315度くらい?のパノラマビューでした。
それでも、普段見ることのない山や街が眼前に迫り、適度な高度感と合わせ満足でした!
また、電波塔の管理用の道路があるので、付近を観光がてら気軽にパノラマビューを楽しめると思います。実際、私が立ち去る間際に、車から降りてきた観光客の方たちが絶景に驚いていました。なお車道は、主稜線を挟んで反対側(北斜面)にある「聖山パノラマホテル」から山頂まで続きます。
筑北三山、冠着山と四阿屋山
長野市中心地
あれ、幻影だよね?(笑)
おわりに
この記事を書いている日、5月9日も筑摩山地の里山を登ってきました。そこから見える雄大な「聖山」はやはり存在感があり、地域を代表する里山だと実感しました。
新緑に彩られる里山を従え、悠然と佇む聖山とたらら山。北方の虫倉山から撮影
遠く見える「聖山」を撮影していると、前に広がる広大な山また山に圧倒され、信州は本当に山国なんだと再認識しました。さらに、山麓や谷あいの集落それぞれに独自の文化があることに驚かされました。この時の様子はまた別の機会に。
次回予告。【筑北三山ハシゴ登山③】冠着山編。
別名「姨捨山」。姨捨伝説の残る山は、意外にも登りやすい山だった~!
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